「草原の河」 「メアリと魔女の花」 「パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊」 「彼女の人生は間違いじゃない」

「草原の河」 ’15 (中)

監督・脚本:ソンタルジャ

m:ルンゼン・ドルマ

f :ヤン・チェン・ラモ

「陽に灼けた道」を観たのは2011年のアジアフォーカス。

そのソンタルジャ監督の劇場初公開作品。

ソンタルジャが撮るのはチベット遊牧民の暮らし。

ドラマも俳優の演技もその“暮らし”の中にあって

乾いた大地がバイクと擦れて立てる音や

冬枯れた草原が運ぶ風の匂いや

氷雪が許す危うい渡河の凍える冷たさ

家畜のぬくもりやその乳から上る香り

鳥葬の鳥の啼く風の丘

病院や商店のある町へと続く草原の道

祈祷旗(タルチョ)の翻る石積み

外套の上に締める長い帯…

それらが職業俳優ではない人々をドラマの登場人物にする。

幼女ヤンチェン・ラモは物語の中の幼女ヤンチェン・ラモになり

彼女が媒介する人間関係と世界の成り立ちがあまりに芳醇であることに

静かに感動する映画なのだ。

佳作。

メアリと魔女の花」 ’17

監督:米林宏昌 脚本:坂口理子米林宏昌 原作:メアリー・スチュアート

アニメーション:スタジオポノック

ジブリを継承する…という意味でまことによくできたアニメだと思う。

ただ…面白くない。

このお話の面白くなさは原作のせいなのか判らないが

コピーたる“魔女、ふたたび”が喚起する「魔女の宅急便」と比べると

お話の語りの質が全然違っていて、

メアリの一夜の冒険は画的に素晴らしいとは思うけれども

メアリその人にキキと同じ親しみを感じることはない。

物語のヒロインに過ぎず

受動的に彼女の冒険を眺めているだけ…といった感じ。

何故このお話を原作に選んだのか??と

首を傾げたくなる。

そもそも「魔女の宅急便」が言われるほど名作とは思えないので(ごめん!)

魔女は安易なモチーフだよなー…とか思ってしまった。

パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊」 ’17 (米)

監督:ヨアヒム・ローニング,エスペン・サンドベリ

まあ見事なエンタメですね。

ジャック・スパロウのキャラだけで幾つでも続編がひねり出せるから

ホントにドル箱コンテンツだよなぁ…

だからこそ力が入るだろうし。

でもね、「若大将シリーズ」なんかと一緒で(比べる対象が古すぎ!(笑))

なんかどれも同じで観たらすぐ忘れる…

のは思惟太だけだろうか??

「彼女の人生は間違いじゃない」 ’17

監督:廣木隆一 脚本:加藤正人

m:光石研高良健吾柄本時生,篠原篤

f :瀧内公美蓮佛美沙子

廣木隆一による同名の処女小説を本人が映画化。

ああ、いいお話だ…と思う。

震災後を生きる被災地の被災者たちの群像劇は

彼らの現在を真摯に見つめるというよりは

恐る 〃 近づいてみる…といった印象なのだが、

それはたぶん廣木が最初

“映画”ではなく“小説”を選んだと同様に

被災者と“そうでない私”の距離の取り方が心もとないからだと思う。

そのどこか申し訳ないような距離感が

どの登場人物をも微妙な優しさで包んでいて、

福島・東京を往還するバスの車窓を照らす柔らかな光が

ヒロインみゆきの

何かを失ったのにそれを埋める何かに届かない瞳に

送電線を載せた鉄塔の連なりを映すのを

怒りではなく哀しみのように撮らせるのだろう。

東京のデリヘル業界なんて怪しくて危うい世界をもってしても

ゆきの喪失を浚うことはできないわけで、

その辺りが

男女の性愛を撮るいつもの廣木作品の豊穣とは違っていて、

自堕落で滑稽で恥ずかしくてエネルギーに満ちた性愛が封印された映画は

その心もとなさたどたどしさがいいとはいえ

安易に“希望”を引き寄せてしまい、

期待した“痛さ”を感じられず

いささか残念な思いがしたのだ。

19日は 「コール・オブ・ヒーローズ 武勇伝」、

21日は 「ビニー/信じる男」、

22日は 「ヒトラーへの285枚の葉書」

      「ボン・ボヤージュ〜家族旅行は大暴走〜」、

23日は 「大人の事情」

26日は 「この世界の片隅に」(5回目)

29日は 「ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ」

      「ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣」、

8/2日は「グッドウィル・ハンティング 旅立ち」、

5日は  「夜明けの祈り」

      「ローラ」(ドゥミとヴァルダ、幸福についての5つの物語)、

6日は  「天使の入江」(〃)

7日は  「幸福(しあわせ)」(〃) を観に行きました。

夏休み本番になってそれ用のプログラムが出尽くすと

いきなり見観たい映画がなくなってしまった!

トランスフォーマーもマミーもグールもジョジョスパイダーマン

心が叫びも膵臓

全然観たいと思わないぞ!(怒)

どうしてもと言うなら

ミニオンとカーズとパワレンは観てもいいかな…(笑)。